肉離れとは、「筋肉の収縮動作」が急激に行われた際に筋肉そのものに筋肉の部分断裂・・筋肉の完全断裂を発症する筋肉の障害です。
部位はハムストリングス、太もも、ふくらはぎが多い。
肉離れの症状は医学的に3段階
肉離れの症状は、肉離れの症状の重さによって、医学的に3段階の症状に分けられます。
以下、3段階の症状の特徴をまとめましたので、現在自分の肉離れがどの段階にあたるのかを確認してみましょう。
肉離れでは、この症状の段階によって治療方法も異なってきます。
★第1段階=軽症
肉離れの症状は非常に軽く、部分的に小規模の断裂が生じているケースです。
痛みはありますが自力の歩行が可能の状況がこの「第1段階」にあたります。
★弟2段階=中程度
肉離れの症状は中程度の段階です。
弟2段階の症状では
筋繊維の一部断裂
・筋膜の損傷
・皮下内出血
が発症しているのが通常で、自力歩行が難しくなってきます。
◆重症の肉離れの場合は手のひらで陥没を確認できる
★弟3段階=重症
かなり重傷の肉離れの状況です。
筋繊維に部分断裂が深く発症し、「圧痛顕著」を行うと、幹部には陥没が確認できます。
圧痛顕著(あっつうけんちょ)とは、幹部と思われる部位を指で押しながら圧迫し、症状を確認する方法です。
この段階になると「自力歩行はほぼ不可能」となり、痛みも非常に激しい激痛を伴うようになります。
軽度・中度と比較すると重度の第三段階に至った場合の実践競技への復帰までの期間は倍以上の時間がかかります。
もし弟3段階の症状に該当すると思われる場合は、早期の医院・整骨院の診察が必要となります。
スポーツトレーナーの方や、指導者の方は、これらの症状の度合いを判断する知識を身につけておくことも大切ですね。
以上が3段階の症状の特徴です。
肉離れの原因は
人体の筋肉と腱の柔軟性は一般的に
20歳を過ぎた時点から、徐々に低下する傾向にある事はスポーツ科学の分野においてすでに明らかになってきております。ですから、柔軟性を失いつつある成人の筋肉は、
「瞬間的な筋収縮の際に肉離れを発症しやすい傾向にある」
という点も、肉離れの発症原因の一つと言えるかもしれませんね
肉離れの応急処置方法について
肉離れを実際に発症してしまった場合は、まず焦らずに症状を確認する必要があります。
症状を確認し、弟3段階に至っていないと判断されるケースでは、まずスポーツ障害の応急処置の基本とも言える
・RICE処置(ライスしょち)
を適切に行っていく事が重要となります。
RICE処置とは、スポーツ障害全般の応急処置方法の基本として非常に重要な処置方法となります。
◆RICE処置の名前の由来について
RICE処置という言葉を初めて耳にした方の為に簡単な豆知識として名前の由来について確認しておきたいと思います。
RICE処置のRICEとはその処置方法の頭文字のイニシャルから名づけられており
●R = Rest(安静)
●I = Ice(アイシング)
●C = Compression(圧迫・固定)
●E = Elevation(挙上)
の処置を行う意味をもっております。
RICE処置は応急処置の大原則ともなっており、肉離れのみならず様々なスポーツ性障害の応急処置の基本となる治療法です。
肉離れの応急処置のポイントについて
肉離れの応急処置のポイントはRICE処置にのっとって、適切かつ迅速に処置を行うことです。
この応急処置の処置レベルによって、治療後の「競技への復帰までの期間」を大きく短縮する事も可能となります。
では、具体的な応急処置方法を見ていきましょう。
肉離れを発症した時点では、筋細胞の部分的な断裂によって、
・大量の内出血
を伴うケースが大半です。
ですから、肉離れではこの内出血を何よりも迅速に抑制する事が大切となります。
その為にも、例え多少動ける程度の軽度の肉離れ症状であったとしても運動はただちにやめ、
・受傷後すぐにアイシング処置
を開始する事が重要です。
アイシング処置を行うと血管の流れが鈍くなり、患部への「血液の過度な集中」を抑える事が出来ます。
血液は大量の酸素を必要としますから、一点に集まりすぎると、「元気な細胞も酸欠を起こして死滅」していきます。
この余計な元気な細胞までの死滅を抑える事が、肉離れの内出血を直ちに抑える為の最大のポイントなのですね。
アイシングを行うには氷嚢があると便利です。氷嚢はビニール袋に細かく砕いた氷を入れ水を少しだけ含ませてあげるだけで簡単に自作できます。
次に応急処置を終え、筋細胞の内出血の発生が収まってきた事を確認出来た時点で今度はアイシングから一転して
・温熱療法
などの、患部を温める治療を実践していく事になります。
応急処置では肉離れ症状の拡大を阻止。その後、温熱療法などによって回復を図る流れが肉離れの治療法の基本です。
尚、肉離れは筋繊維に微小な部分断裂を起こす障害であるため、肉離れを発症した部位の筋繊維周辺は発症後2~3日程度、強い炎症症状を発症します。
また完全に回復していない状態で運動を再開すると再断裂を起こす可能性も高く肉離れは再発性の高い疾患であることを事前に把握しておく必要があります。
◆早期に完治させたい場合
肉離れの治療では、完全に筋肉が断裂してしまうなどの重症に至らない限り手術を行うケースはほとんどありません。
治療の基本は、「保存療法」と呼ばれる人間が本来持っている
・自然治癒力
を活かしながら、徐々に「断裂部分の付着を促す治療」を実践していくのが基本です。
「温熱療法」では、自然治癒力を高める為に受傷した患部を温めながら血行を促進させます。
◆予防としてのテーピング処置
◆回復の為のリハビリ
回復の為のリハビリにおいて、症状を悪化させてしまっては、リハビリの目的が果たせなくなってしまいます。
ですからリハビリのスタートは安静時において強い痛みを感じなくなってからとなります。
尚、「応急処置」⇒「初期治療」を終え、悪化の可能性が低くなってきた段階に入ると軽いリハビリテーションを開始する事が可能となる目安となります。
肉離れでは、症状を発症した部位の筋肉はしばらく使用できなくなる為、筋肉は徐々にやせていきます。
この「筋肉の痩せ」は避けることが出来ませんが、少しでも早く復帰できるように、筋肉の低下をやわらげる事がリハビリ実践の目的です。
当院では、骨盤の歪みを整え体のバランスを元に戻し筋肉への無駄な負担を減らし、肉離れを起こりにくくします。
肉離れの症状・治療・回復期間についてお悩みの方は、玉川同仁堂までご相談ください。
患者さんの声
肉離れ (50代 男性)
治療前の状態
ゴルフのプレー中、ふくらはぎに肉離れを起こしてしまいました。足をつけられない状態なので、引きずりながら歩いて来ました。
治療後の状態
テーピングと包帯で固定してもらい、踵からつく歩き方を教えてもらったので、帰りは足がつけました。痛めたその日に来たので、思ったより早く治りました。
肉離れは、柔軟性して縮こまった筋肉が瞬間的な筋収縮の際に、急激に引き伸ばされ、部分断裂を起こす疾患です。筋肉の柔軟性が低下しやすい成人以上の方に多く、 また強力な筋収縮ができる男性の方が多く発症する傾向にあります。
肉離れの治療で1番大切なのは受傷直後の処置で、応急処置などが適切になされた場合、復帰までの治療期間が大きく短縮されます。この患者様は、疲労の蓄積により、筋肉が縮こまっていたので、瞬間的な筋収縮により肉離れが起こりました。
痛めた当日に来院されたので、アイシングや圧迫、固定などの処置が早くでき、また痛んだ筋細胞や筋膜の修復促進のため電気治療を行うことで、治りも早くなりました。
固定はテーピングと伸縮包帯で圧迫固定を行い、症状の経過に合わせてサポーターに変えていき、運動の復帰の時もテーピングやサポーターを行い、状態を見て固定を外します。
固定がサポーターに変わる頃からは、マッサージや膝と足頚の関節可動域訓練など、固定により固まってしまった関節や低下した筋力の機能を回復していきます。